終末期の医療現場では、患者さんが治療や緩和ケアをがんばりながら過ごしています。
しかし病状が安定しなければずっとベッドに寝たままになってしまい、それが気力の低下や幸福度の低下を招いてしまうそうです。
気力がないと治療も乗り切るのがたいへんになり、それによっていい結果が得られなくなることもあります。
そこで、とある病院で終末期の患者さんのためにその方の家のカーテンで模様替えをしたところ、たいへん気力が出たということがあったそうです。
それを受け、「懐かしい場所の記憶が患者さんを勇気付けるのかもしれない」と、VRの技術を使って開発が進んでいます。
聞き取り調査をしたところ、ある人は自分の家の風景を、ある人は仕事でいつも運転していた道を見たいということで、それぞれ家族の協力を得て撮影しました。
病室でゴーグルをつけ、まるでその場にいるような映像を見たところ、「元気が出た」「不安感が減った」などの結果が出たそうです。
かなり医療分野に応用の効く技術だと言えそうです。